兵庫県建築設計監理協会とは

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事務局紹介

登録文化財にも登録され、建築物として格調高い「日本真珠会館」の中に兵庫県建築設計監理協会の事務局がありました。
日々の実務的なことの他、さまざまなセミナーや会合もここで開いていました。

日本真珠会館について

旧外国人居留地の東の端に位置するこの建物は、関西真珠協同組合と兵庫県設立委員が官民共同で「日本真珠会館設立委員会」を設置し、昭和27年(1952年)に完成した鉄筋コンクリート造4階建ての近代建築です。

設計は兵庫県営繕課、担当したのは同課技術第三係に勤務する光安義光(前・兵庫県建築設計監理協会会長)である。光安義光は、兵庫県庁舎第1号館や旧兵庫県立近代美術館の設計を外注せずに営繕課内部でまとめ上げています。


真珠会館建設の目的は、戦後、東京・三重等に分散し取引上極めて不利な実情にあった、わが国の真珠事業を、戦前には取引の大部分(約80%)が行われていた神戸に国際的真珠取引の核となるべき真珠会館を建設し、世界の真珠取引の中心とし本県産業の振興に寄興せしめようとするものでした。日本特産の真珠の加工、輸出の便利を計り、県産業振興の意味で建設された当該建物は、戦後の国際的な真珠産業復興の歴史を刻んだ建物とも言えます。


外観は、一階に黒御影石、二階三階にタイル、四階に全面ガラス窓を使用し、三層構成を成している。これは、国際環境にあるため、官僚臭のない品格のある表現が必要であるという設計者のマッスコンポジションによる近代建築の表現であり、三層構成は、旧外国人居留地にある真珠会館がその一角を占めることから、街並を意識した近代建築としての様式表現であったのではないかと想像されます。

また、真珠の検査・選定に不可欠な採光と色彩に配慮した計画は、建設当時から50年以上に渡り真珠交換会が行われていることからも、その質の高さが窺われます。


昭和29年に昭和天皇・皇后両陛下が当会館へ行幸されたことなどからも、建物の重要度や注目度が推察されます。

モダニズムといわれる戦後の近代建築が余り注目されずに解体されていることを考えると建設当時の姿を残し、建設当時の目的のままに現在も使用されている当該建物は、登録文化財審査基準の「(2)造形の規範となっているもの」に該当するものと考えられ登録文化財に登録されています。

また、世界四十数カ国が加盟しているモダンムーヴメントに関わる建物と環境形成の記録調査及び保存のための国際組織DOCOMOMOの日本支部DOCOMOMO Japanが「日本のモダン・ムーブメント100選」にもリストアップした建物です。




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